標準数(Preferred Numbers) JIS Z8601

 設計などで数値を定めるときの基準となる数です。段階的に数値を定める場合、一つの数値を定める場合にもなるべく標準数から選ぶようにします。

標準数を選ぶ場合は、増加率の大きい数列から選びます。

(参考)モジュール数 Module Dimension

標準数と同じように用いられる数列に、モジュール数があります。標準数は等比級数ですが、モジュール数は等差級数になっており、大型の設備装置などに使いやすい寸法体系になっています。下表の例は、960モジュールの寸法体系です

(参考)配列番号の使い方

(配列番号を使った例)標準数16×1.5の標準数を求める

    16の配列番号〔48〕、1.5の配列番号〔7〕

    48+7=55 ∴ 配列番号〔55〕は、23.6(R40数列)

             配列番号に[+1]すると、R5 数列の25となる

はめあい (Fit)

部品の寸法に公差(Tolerance)を設定しますが、複数の部品で構成されるアセンブリの場合にも設計時に考慮しなければならない寸法関係があります。代表的なものに穴と軸の関係があります。「はめあい」(Fit)は軸と穴がはまり合う関係を言います。

出典:What is difference between the tolerance and allowance. http://www.mechcadacam.com

回転する車軸とベアリングでは、すきまが必要です。また、軸を穴に挿入(圧入)して固定する場合には、軸径が穴径よりも大きくなるようにお互いの公差を設定する必要があります。

              出典:機械製図 105 実教出版

穴と軸の関係をサイズ公差によって規定した IOSはめあい方式(ISO fit system)があり、JIS(日本産業規格)でも JIS B0401 で規格化されています。

はめあいの表記は以下のように、穴の公差域の指定では大文字のアルファベットが使用され、軸の公差域の表示では、小文字のアルファベットが使用されます。

Φ35 H7  (Φ35:穴の直径サイズ、H:穴の公差域、7:等級)

Φ35 g6  (Φ35:軸の直径サイズ、 g:軸の公差域、7:等級)

アルファベットで表される記号は基準寸法(35)からの偏りを表し、その後に続く数字(等級)は公差の幅を表しています。

出典:公差域クラスの記号の意味と記入テクニック(世界で戦えるGLOBALエンジニアになるための製図技術)http://mypage.otsuka-shokai.co.jp
出典:公差域クラスの記号の意味と記入テクニック(世界で戦えるGLOBALエンジニアになるための製図技術)http://mypage.otsuka-shokai.co.jp

具体的な公差の値を求めるには、はめあい公差表(参考:機械製図 付表2,3)から基準寸法に該当する公差を求めます。

公差・許容差

設計段階では、部品の各部の寸法は強度計算をしたり規格などに基づいて決めます。3DーCADでモデリングする時も、幾何拘束や寸法を決めて形状を作成します。

設計された部品を製作するとき、設計で決められた寸法をねらって製作しますが、必ず誤差が伴います。また、正確な寸法に近づけるには時間もコストも掛かります。

よって、製作の際には加工方法を考慮して寸法に許容できる合理的な幅(大小二つの限界サイズの差)を与えます。これが公差(Tolerance)です。製作された(出来上り)寸法は、製作方法による偏りは発生しますが、ランダムにばらつくと考えられます。

加工の基準となる寸法(図示サイズ / Nominal size)に対して、大小二つの限界寸法(許容限界サイズ)を指定することはできます。図示サイズと許容限界サイズの差を「上の許容差 Upper Deviation」と「下の許容差 Lower Deviation」と呼びます

                  出典:機械製図 P105 実教出版