部品の寸法に公差(Tolerance)を設定しますが、複数の部品で構成されるアセンブリの場合にも設計時に考慮しなければならない寸法関係があります。代表的なものに穴と軸の関係があります。「はめあい」(Fit)は軸と穴がはまり合う関係を言います。

回転する車軸とベアリングでは、すきまが必要です。また、軸を穴に挿入(圧入)して固定する場合には、軸径が穴径よりも大きくなるようにお互いの公差を設定する必要があります。

穴と軸の関係をサイズ公差によって規定した IOSはめあい方式(ISO fit system)があり、JIS(日本産業規格)でも JIS B0401 で規格化されています。
はめあいの表記は以下のように、穴の公差域の指定では大文字のアルファベットが使用され、軸の公差域の表示では、小文字のアルファベットが使用されます。
Φ35 H7 (Φ35:穴の直径サイズ、H:穴の公差域、7:等級)
Φ35 g6 (Φ35:軸の直径サイズ、 g:軸の公差域、7:等級)
アルファベットで表される記号は基準寸法(35)からの偏りを表し、その後に続く数字(等級)は公差の幅を表しています。


具体的な公差の値を求めるには、はめあい公差表(参考:機械製図 付表2,3)から基準寸法に該当する公差を求めます。




